
そもそも、高速クロックで動く今日の機器が、60年前に開発されたケーブルで配線されているのは、おかしい。
50年ほど前、真空管で鳴っていたラジオがトランジスタの出現でトランジスタなどの部品がプリント基板に搭載されるようになり、当時、ソリッド・ステート・ラジオと呼ばれた。
今、制御盤はその民生機器に遅れること40年、やっと、ソリッド・ステートの時代を迎えた。いや、迎えようとしている。

欧米では、新しい機器や仕組みを製品化する際、その標準化を大前提にしてワークショップが組まれるが日本の場合、目の前にある案件をプロジェクトにして行われることが多い。制御盤の基板化はまさに標準化の手法が要求され、日本が最も不得手とする分野である。
E-T-Aは10年以上前からDC24V系の基板化製品を製品化し欧米を中心に通信、電力、化学、自動車、電機、工作機械などの分野で実績を伸ばしている。
現在ではDCだけでなく、AC電源回路のおいてもプリント基板化しダウンサイジングしている。
もちろん、ターミナルはネジレスが必須で従来のねじを使ってはダウンサイジングはあり得ない。
日本ではネジレスを危険視するエンジニアが多数いるが、そんな人は退職金を前借してネジレスを多用するドイツの現状を視察するといい。もしネジレスがリスクなら、ドイツは事故頻発でとっくに工業一流国の座を追われたはずだ。
E-T-AはCPメーカだが基板化に必要な基板製作のしくみを完成させている。
弊社日本法人のイーティーエィコンポーネンツでは基板のデザインと製作は日本で行い、レセプタクルはスイス製、コネクタはドイツ製を採用している。ロット20枚程度の基板で従来コストの3割程度で製作する仕組みを構築している。
基板化のメリットはダウンサイジングだけではない。ケーブルのエイジングや接触不良、EMCリスクの低減などメンテナンスフリーに大きく貢献する。勿論、ワイヤリングコストは1/10に激減するからコストメリットも計り知れない。

写真はDC24V/8回路/40Aの基盤である。
欧米でデファクトとなっている6Pレセプタクルを搭載したプリント基板でDINレールマウントに比べ50%のダウンサイジングができる。
搭載できる部品はサーキットプロテクタやリレーなど。
また、専用レセプタクルを使うことにより、従来、基板に直接半田付けしていた部品(ヒューズ、スイッチ、コンデンサ、サーキットプロテクタなど)がリプレース可能となったことで基板の自由度が飛躍的に広がった。
また、電流容量もタイプにより400Aまで可能なので大部分の用途に使用できる。
(UL94V-0準拠、RoHS対応)
かつてPCBの生産量と技術で世界に君臨した日本だったが、PCBにより制御回路の標準化では圧倒的に遅れてしまった。写真上段のレセプタクル派スイス製、下段はドイツ製である。
いつも目先の費用対効果に明け暮れると、仕組みとシステムで長期戦で勝てなくなる。


代表取締役 江角 敏史